現在二つの病院の緩和ケア病棟で、アロマセラピートリートメントのボランティアを
させていただいていているのですが、先週訪れた病棟は、初めての病院でした。
同じ緩和ケア病棟といっても、病院によってそれぞれ雰囲気が違います。

だけど同じなのは、あったかい雰囲気。
それは看護師さんだったり、医師だったり、ご家族の方やお見舞いに
来られているお友達、部屋の雰囲気や空気だったり。


私は家族という言葉に弱い気がします。
あったかい家族を見ると嬉しくなるというか、幸せっていうか
逆にせつなくなるというか、なんとも言えない感情が沸いて出ます。
今回も初めて訪れた病院であたたかいご家族に出会えました。

おじいさんの容態が悪い様子で、ご家族お孫さんがいらしていました。
ご家族の方お二人に別室の和室で、もう一人のセラピストとアロママッサージを
させていただいていたのですが、その様子を見に、一人和室へ入って来ては
また一人、そしてまた一人、と和室はいつの間にか穏やかな空気に包まれて
家族団らんな雰囲気になりました。


「おじいちゃん、こんなんしてもらってたんやねぇ。」
「気持ち良かったやろねぇ。」
「こんなマッサージがあるんやねぇ。」
「気持ちいいから、私たちにもしてもらえるようにしてくれたんちゃう?」
「首がぐきぐきで回らなかったのに回るようになったわぁ。」


哀しみと隣り合わせの中ですが、わいわいととても良いひとときを
味合わせてもらいました。家族っていいな。

よくお孫さんは病室に来られて「おじいちゃん、今度こっち向きになろうね。」と
体勢を変えてらっしゃったとも、いつも来ているセラピストに聞かされました。
優しい言葉をかけることはできるけれど、行動を起こせる人ってどれくらい
いるだろう。

おじいちゃん、こんなご家族に囲まれて幸せだっただろうな。
病気を患ったことはとても辛いことなのだけれど…
なにか私の中でいろんなことが溢れてきます。


“ボランティア”という言葉を聞くと、私はどうしても裕福な人がするものだと
昔は思っていました。余裕のある人がするものだとか、いい言葉と思う反面
逆にエゴを押しつけたり、福祉関係で働く友人が周りに偽善者やって言われるねんって
おどけて話していた言葉を思い出しては、偽善者ぶってると思われてるんじゃないか、
言われるんじゃないかとひねくれた嫌な言葉だという思いにかられたり。

そんなことないんですよね。
そう思う人はきっと、今心に傷を負ってる人なのかな。
ちょっとでも私にできることで、誰かの役に立つことがあれば
ただそんな気持ちで参加させてもらえばいい。
ただしたいからすればいい。
単純でいいのにね。

時々年配の患者さんに「若いのに偉いね」みたいなことを言われると
全然そんなことないのに、って切なくなる。

「ありがとう」という言葉に私も癒され、ありがたく思い、
いつも勉強させられている。
何かしら人生の宿題をもらって、帰っているような感じもする。
宿題の答えをいつもああでもない、こうでもないと
悩んでいる。
ずっと悩み続けるのかな。