血液の寿命のことを昨日記事にしましたが、
血液は体を循環しているけれど、寿命って、なくなるってこと?
なくなったらどこからやってくるの?


血球と血漿

血液は、細胞成分が、血球といわれるもので、液状の間質を、血漿といいます。

血球は、赤血球、白血球、血小板からなり
血漿は、水、タンパク質(アルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン)、糖、脂質、無機質(ナトリウムやカリウムなど)を含む液体です。


人の血液の量は、一般に、体重の約6〜8%(体重50Kgの人で、約4リットル)で
血液は、酸素や栄養素(脂肪、糖分、ミネラル、ビタミンなど)、化学伝達物質ホルモンを各組織に運び
また、二酸化炭素を肺に運び、その他の老廃物を腎臓に運び、不要になったものを体外へ排出させる
役割を担い、連携し働いてくれています。


血球は、血液の約45%
血漿は、血液の約55%の割合で構成されています。


血液を構成する主な成分、それぞれの働きは?

赤血球:ヘモグロビンというたんぱく質成分が各組織に酸素を届けています。
血液が赤いのはこのヘモグロビンです。

白血球:体内に侵入してきたウイルスや細菌などを食べて病気から守ってくれています。
(私が再検査して出してもらったのは、白血球内のそれぞれの成分 青色の字)

 好中球(Neutr)
白血球の中で最も多く、細菌やウイルスを殺して取り込み消化し感染から守ってくれています。

 リンパ球(Lympho)
白血球の約36.5%を占め、T細胞(キラーT細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞)、B細胞があります。

  キラーT細胞
樹状細胞から抗原情報を受け取り、ウイルス感染した細胞やがん細胞にとりつき排除します。
  ヘルパーT細胞
樹状細胞やマクロファージから抗原情報を受け取り、免疫活性化物質サイトカインの一種などを産生します。
  サプレッサーT細胞
抗体を作りすぎないよう抑制します。
  B細胞
T細胞の指令で分裂増殖し、特定の抗体を産生するのが主な役割です。

 好酸球(Eosino)
好酸球は白血球の一種で、アレルギー反応、喘息(ぜんそく)、寄生虫感染の時に増加します。

 好塩基球(Baso)
白血球の一種で、顆粒に含まれるヒスタミンやヘパリンが、炎症部位の血管を拡張させたり、
血液凝固を防いだりし、好中球の働きを助けます。

 単球(Mono)
白血球の約5%を占め、白血球の中で最大の細胞で、好中球に次いで活発な食作用を持ちます。
単球は血管外の組織に移動すると、マクロファージと呼ばれる大食細胞に成長し、
リンパ球による免疫反応を補助したり、傷んだ細胞や老廃物を処理するなど、特殊な働きを担います。

血小板
出血を抑える止血作用があります。

血漿
血漿は血液の液体成分で、ほとんどが水(約90%)で、タンパク質は7〜8%
その他に糖質、脂肪、尿素、乳酸などが存在していて

血漿の主なタンパク質(アルブミン、免疫グロブリン、フィブリノーゲン)
アルブミンは、血液を血管内に保持する働き、ホルモンや薬のような物質と結合し運ぶ働き
免疫グロブリンは、ウイルス、細菌、真菌、がん細胞など異物から保護する抗体の役割
フィブリノーゲンは、出血を止める役割を担っています。

赤血球・白血球・血小板それぞれの量、

赤血球は、細胞成分の96%を占めていて、男性で、400〜500万個/血液1μL中
女性で、350〜500万個/血液1μL中
白血球は、4,000~9,000個程度/血液1μL中
血小板は、およそ15万~40万個程度/血液1μL中

*1L=1,000mL 1mL=1,000μL(マイクロリットル)


体の隅々まで流れているこれらの血液、どこで造られるの?

骨髄中の、造血肝細胞という細胞から造られます。

造血肝細胞は、20回以上の細胞分裂を経て、血液細胞である赤血球・白血球・血小板へと成長し
生涯枯渇することなく、血液を造り出してくれています。

骨髄は、骨の中心部にある柔らかい組織で、主に脊椎、胸骨、腸骨にあり
頭蓋骨、肋骨にもあります。

また、骨髄には造血肝細胞だけでなく、血液細胞の成長を助ける骨髄間質細胞なども含まれ
成熟した赤血球・白血球・血小板は、骨髄から血管へと移動していき体中に血液が行き渡るのです!


皮膚の上から、手を当てていたわってあげよう

人の体は、たくさんの細胞が集まって組織、器官を構成しているわけですが
体中どの部分も大切で、今回お話しした血液の源、造血肝細胞のある骨髄、
骨髄のある脊椎、胸骨、腸骨、とても愛おしいと思いませんか?
私は、皮膚の上から手を当てて、手の温もり(手に流れている血液の温もり)でいたわってあげようと思います。